2009年10月2日金曜日

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ラミダス猿人:最古の猿人全身化石 エチオピアで発見

2009年10月2日 1時31分

 全身骨格が分かる約440万年前のラミダス猿人の化石を、国際研究チームがエチオピアで発見した。全身骨格が分かる化石としては人類最古で、手や足、頭などの形状がほぼ完全に復元できた。人類進化の解明に大きく貢献しそうだ。2日付の米科学誌「サイエンス」で発表した。

 発見された化石は「アルディピテクス・ラミダス(学名)」。エチオピアのアワシュ川中流域で見つかり、94年以降、歯やあご、手、足など複数の猿 人の化石約350個を採取。発掘地点の地層の年代から約440万年前と推定された。全身骨格の化石には、約320万年前のアウストラロピテクスの「ルー シー」があるが、約120万年さかのぼる。

 全身骨格の化石は女性で、身長約120センチ、体重約50キロ。体格に比べて顔が小さく、脳の大きさはチンパンジーくらい。人類の大きな特徴の犬歯の縮小が起きていた。チンパンジーより雑食で、地上と樹上の両方で生活していたとみられる。

 人類の直接の祖先とされるアウストラロピテクス以前は、700万〜600万年前の猿人「サヘラントロプス・チャデンシス」の頭部化石や600 万〜580万年前の猿人「オロリン・ツゲネンシス」の大腿骨(だいたいこつ)化石が見つかっているが、いずれも全身の一部しかない。

 調査に参加した諏訪元・東京大教授(古人類学)は「古人類学史上、非常に意義がある。ラミダスは森林に住み、木に登ったり、地上で直立二足歩行し ていた可能性が高い。チンパンジーは、樹上では懸垂運動をし、地上では前肢の中指を地面に付けて歩くが、ラミダスにはそうした特徴の名残はなく、チンパン ジーとは相当異なった祖先から進化したようだ」と話している。【河内敏康】




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