「18歳成人が適当」法制審が答申 時期は国会に委ねる
千葉景子法相(左)に成年年齢引き下げの答申を手渡す法制審の青山善充会長=28日午後、東京・霞が関、細川卓撮影
法制審議会(法相の諮問機関)は28日、民法上の成年年齢を現行の20歳から18歳に引き下げるのが適当とする結論をまとめ、千葉景子法相に答申した。 引き下げ実施の時期は国会の判断に委ねた。鳩山由紀夫首相は同日、選挙権の年齢を20歳から18歳へとすることを念頭に「法制審が方向をお決めになったと いうことは大きなステップだとは思います」と語った。
「18歳成人」の議論は、憲法改正の手続きを定めた国民投票法(07年5月成立)が18歳以上に投票権を与えるとしたことがきっかけ。同法は付則 で、10年5月の施行までに、民法や公職選挙法など年齢制限がある法令についても「必要な措置を講ずる」ことを求めていた。答申により、今後は、政府が民 法改正や公選法改正に実際に乗り出すかどうかが焦点になる。
法制審では昨年2月に諮問を受けた後、「民法成年年齢部会」で調査や検討を重ねてきた。部会は今年7月の最終報告で、公選法が定める選挙権年齢が 18歳に引き下げられることを前提に、成年年齢も引き下げを認める方針を打ち出した。社会参加の時期を早めれば、若者が「大人」の自覚を高められることな どを意義として挙げた。
一方で、引き下げれば親の同意がなくても契約を結べるようになるため、18〜19歳が悪質商法やマルチ商法などの消費者被害に遭うおそれが増すと 指摘。消費者保護策や若者の自立支援策の充実を併せて求め、引き下げ時期はそれらの進み具合を踏まえて国会が判断するものとした。
最終報告後の法制審総会では「引き下げ時期を答申に明記すべきだ」という意見も出たが、消費者保護策など他省庁にまたがる課題が多く、最終的には具体的な期限を示すのは難しいという認識で一致。部会の結論を了承した。(延与光貞)
0 件のコメント:
コメントを投稿