考古学者の近藤義郎さん死去 古墳時代の始まり定義
近藤義郎氏
前方後円墳の研究で古墳時代の始まりを定義した岡山大名誉教授の考古学者、近藤義郎(こんどう・よしろう)さんが死去していたことが、13日わかった。84歳だった。4月5日に死去したが、故人の遺志で伏せられていた。
古墳の形や構造の比較分析を進め、奈良県の箸墓(はしはか)古墳の築造で前方後円墳の基本形が完成し古墳時代が始まると定義。それ以前の墳丘を持つ墓は「弥生墳丘墓」とし、邪馬台国論争や国家形成論に大きな影響を与えた。古代の製塩研究でも知られる。
栃木県足利市生まれ。京都大を卒業後、岡山大助手となり、53年に岡山県の月の輪古墳の調査を主導。地元住民らのべ1万人が発掘に参加した記録映画は 「民衆の歴史学」のシンボルとして各地で上映された。54年に全国の若手研究者らと「考古学研究会」を結成。宮内庁管理の陵墓公開などの運動も進めた。著 書に「前方後円墳の時代」「日本考古学研究序説」など。
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