2009年10月16日金曜日

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求む!限界集落再生の協力隊員…秋田・上小阿仁

「昨年の今頃は一面の稲穂でした」と休耕田で語る山田さん

 都会から農業の担い手となる若者を招き、廃村寸前の集落を再生させようと、秋田県上小阿仁村(かみこあにむら)は「地域おこし協力隊」の隊員2人の募集を始めた。

 11月1日から最長で2年5か月間、村の中心部から約20キロ離れた「八木沢地区」に住み込みで働いてもらう。小林宏晨(ひろあき)村長は「都会の若者の斬新なアイデアで過疎化を食い止めたい」と、救世主の出現に期待を寄せている。

 村の人口は約7000人(1960年)をピークに減り続け、2931人(9月末)。65歳以上が半数を超える「限界集落」は20地区のうち8地区を占める。

 隊員が入る八木沢地区は7世帯16人で、うち12人が65歳以上だ。山田テイさん(66)は、4年前に倒れて自宅療養中の夫(73)を支えなが ら、一人で農業を続けてきた。地区内で「最後の農家」だったが、今春、両ひざの痛みに耐えきれずにやめた。地区には至る所に耕作放棄地が広がっている。

 村中心部へは県道1本で、豪雪に見舞われると「陸の孤島」と化すこともある。商店もなく、鮮魚や青果を積んだ移動販売車が週2回、地区を訪れる。

 隊員は1日7時間、週5日勤務。農作業のほか、地区の高齢者が病院へ通う際の付き添いや、雪かき、ごみの不法投棄パトロールなども担う。

 隊員がそのまま定住することを希望するが、頻繁に話し合いの場を設け、活性化のアイデアも求めている。小林村長は「地元の人の発想は限界に達している。面白い提案には村全体で取り組む」と真剣だ。

 報酬は月額16万円。住居は、26年前まで小学校だった地区公民館で、改修後に無償提供する。募集は10月20日まで(当日必着)。応募要件は20歳以上で、運転免許(AT限定は不可)があること。

 問い合わせは村総務課(0186・77・2221)へ。

(2009年10月14日15時44分  読売新聞)




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