2008年8月31日日曜日

asahi archeology history Israel mask masque

仮面よ、紀元前の暮らし語れ イスラエルで出土

2008年8月31日7時58分

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写真発掘された男性の仮面。手前の目盛りは1センチ刻み=井上写す

 イスラエル北部エンドル近郊の都市遺跡「テル・レヘシュ」で紀元前12〜同10世紀ごろのものとみられる仮面や香炉台が出土した。立教大などでつくる日本の発掘調査団(団長=月本昭男・立教大学教授)が27日、現地で発表した。

 高さ約45メートルの丘にあり、紀元前1千年前後の古代イスラエル王国成立前の先住民だったカナン人が紀元前3千年ごろから定住を始めた。最盛期には数千人が住んだとみられる。旧約聖書に記述がある「アナハラト」と推定されている。

 仮面は土製で鼻から下の部分が出土。ひげを生やした男性で幅は約8センチ。香炉台は2台見つかり、高さ約60センチの円柱形で線模様が入っている。いずれも宗教儀式に使われたとみられる建物跡から出土。仮面は「魔よけの可能性もある」(同調査団)という。

 月本団長は「多神教から一神教へと推移していく過程や、都市形成を知る上で貴重な発見」と話している。(エンドル〈イスラエル北部〉=井上道夫)



asahi science industry Li-ion battery

Liイオン電池の「謎」解けた! 長時間利用に期待

2008年8月31日8時47分

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 次世代リチウムイオン電池の電極として期待が高い「鉄含有リチウムマンガン酸化物」が電池の容量を向上させる仕組みを、産業技術総合研究所(産総研)関 西センター(大阪府池田市)が突き止めた。実用化の「壁」が解明されたことで、電気自動車向けなどの新型電池の開発につながりそうだ。米電気化学会誌に発 表された。

 秋田知樹・産総研主任研究員らは、電子顕微鏡で得たデータの新解析法で、観察が難しかった電気のもととなるリチウムイオンが電池内で動く様子を確 認した。リチウムマンガン酸化物とリチウム鉄酸化物がつくる特殊構造によって、より多くのリチウムイオンが出入りし、容量を向上させていることがわかっ た。充電時に発生する酸素が漏れて劣化することも突き止めた。

 「鉄含有リチウムマンガン酸化物」を電極に使うリチウムイオン電池は、2年前に産総研が開発。通常使う高価なコバルトが不要なため、大幅なコスト減になる。電気の容量が約1.4倍になるという向上の仕組みと、劣化の原因が不明だった。

 研究チームの吉川(きっかわ)純・産総研特別研究員は「酸素の漏れを防ぐことが重要とわかったことは大きい。電極に他の金属を使うことも試し、より高性能な電池を実現したい」と話している。(田之畑仁)



asahi society nature Mt. Fuji

山梨側の富士登山者、過去最多に 死者4人、短パン姿も

2008年8月31日19時18分

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 31日で今年の夏山シーズンが終わった富士山への山梨県側からの登山者が、過去最多の24万6794人(同日午後5時現在)に達した。世界遺産登録に向けたPRや宿泊環境が改善されたことが理由とみられるが、軽装での無理な登山者などマナー問題は相変わらずだった。

 富士山安全指導センター(6合目)によると、これまで過去最多だった1987年の20万277人を約5万人上回った。山梨県富士吉田市の富士山課は「世 界遺産登録に向けた取り組みで注目を集めたことに加え、山小屋が寝床など宿泊環境の改善に取り組んだことで、若い女性客が増えたため」とみている。

 一方で山梨県警によると、期間内で登山中に急性心不全などで4人が死亡。死者は05年(1人)以来で、富士吉田署は「登山日程に余裕がなく、途中で体調を崩し、救護所で手当てを受けた人も多かった」と話している。

 マナー違反も相変わらずだった。センターの指導員加藤洋三さん(49)は「ビーチサンダルに短パンという軽装のほか、ドラえもんの着ぐるみを着た登山者もいた。危険だと注意をしたが、聞き入れてくれなかった」と振り返った。(伊藤和行、岡戸佑樹)



2008年8月29日金曜日

asahi archeology history Wakayama

矢入れる武具「胡ろく」形の埴輪初出土 和歌山

2008年8月28日18時33分

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写真矢を入れる武具「胡ろく」の形をした埴輪。中央の収納部に矢を入れたように、表面に矢羽根の線が彫られている=和歌山県庁

図

 和歌山県教委は26日、和歌山市岩橋(いわせ)の特別史跡「岩橋千塚古墳群」の大日山35号墳(6世紀前半、前方後円墳)から、矢を入れる武具「胡ろく」の形をした埴輪(はにわ)が見つかったと発表した。県教委によると、胡ろくの形の埴輪出土は全国で初めて。

 胡ろくは馬に乗る際に腰に装着して使われたとされ、大陸の騎馬文化の影響を受けた可能性がある。同じ古墳からはこれまでに、一つの頭の前後に顔が二つあ る人物埴輪や翼を広げた鳥形埴輪も初めて出土している。人物埴輪のほおには、矢の羽根部分と矢尻の入れ墨らしい線が彫られていた。専門家は「大和政権とは 異なる独自の発想を持つ勢力が存在したのでは」と推測している。

 出土した埴輪は、復元後の高さは約96センチ(残存90センチ)、横幅約39センチ(同37.8センチ)。円筒形の基部が取り付けられ、中央部が 膨らみ立体的に表現されている。表面には羽根が上を向いた5本の矢が線で彫られている。これ以外にも埴輪の破片が複数見つかり、形状から胡ろくとみられる という。05年度に発見し、その後復元作業を続けていた。

 岩橋千塚古墳群は大阪府岬町から和歌山県北部の紀の川流域を拠点とする有力豪族だった紀氏(きうじ)の墓とされ、紀氏は朝鮮半島や中国との交流も盛んだったとされる。

 花園大の高橋克壽准教授(考古学)は「胡ろく形埴輪は、大陸の騎馬文化との深い関係を示している。独創的で自立性が高い。自分たちの埴輪ワールドを持っている」と話している。

 胡ろく形埴輪は30日から9月15日まで、県立紀伊風土記の丘(同市岩橋)で展示される。9月1、8日は休館。(宇津宮尚子)



asahi science archeology dinosaur Fukui

西日本最古級の恐竜足跡化石 福井市の河川敷

2008年8月28日22時1分

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写真発見されたイグアノドン類の足跡化石=福井県立恐竜博物館提供

 福井市美山町の白亜紀前期(約1億4千万〜約1億年前)の地層から、イグアノドン類に属する鳥脚類など3種類の恐竜の足跡化石計5個が見つかった、と福井県立恐竜博物館(同県勝山市)が28日発表した。恐竜の足跡化石としては、西日本で最古級のものという。

 県内に住む化石愛好家の小学校教諭が昨年4〜11月、市内を流れる足羽川の河川敷で見つけ、同博物館が鑑定した。その結果、鳥脚類はイグアノドン類と判 明したもの(長さ199ミリ、幅151ミリ)など2個▽獣脚類1個(長さ69ミリ、幅不明)▽竜脚類は2個(うち一つは長さ不明、幅約300ミリ)——の 3種類の恐竜の足跡化石計5個と、鳥類(長さ38ミリ、幅53ミリ)の足跡化石1個と判明した。

 発掘されたのは白亜紀の「手取層群」と呼ばれる地層で、隣接する同県勝山、大野両市でもこの地層から恐竜の骨化石などがこれまで多数見つかっている。

 同博物館によると、国内では、長野県や福島県でジュラ紀(約1億9500万〜約1億4千万年前)の地層から恐竜の足跡化石が見つかっているが、今回の発見はこれらに次ぐ古さで、1カ所から3種類以上の足跡化石が発見されるのは全国で3例目という。

 同博物館の東洋一副館長は「手取層群における恐竜の生息分布や種類を解明する上で、貴重な資料」と評価している。(西山明宏)



asahi science mummal

哺乳類の「第六感」 独とチェコのチームが報告

2008年8月29日2時4分

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 哺乳(ほにゅう)類の「第六感」は地磁気を感じる力——。ウシやシカのこんな隠れた能力が、ドイツとチェコのチームの調査で明らかになった。草をはんだり休んだりしているとき、体は方位磁石の針のように、おおむね地磁気の南北を向いていた。

 ネット上で無料公開されている衛星写真「グーグル・アース」で、欧州、アフリカ、アジア、南・北アメリカ、オーストラリアの計308の牧場を調べた。草をはんだり休んだりしている計8510頭の牛を選び出し、体の向きを調べたら、多くの牛が地磁気の南北を向いていた。

 チェコ国内で野生のシカ計2974頭の生態や雪に残った「寝床」の跡を調べた結果も、同様だった。シカの場合、大半が頭を地磁気の北極(磁北極)に向けていた。

 ウシやシカが体を同じ方角に向けることは以前から知られていたが、風や太陽の向きの影響だと考えられていた。地磁気を感じる力は、渡り鳥やサケなどが身につけて移動に使っているが、哺乳類ではネズミの仲間やコウモリなどで報告があるだけだった。

 チームは「何千年もの間、牧童や狩人が気づかなかったことに驚いている。人間も、座る向きが南北と東西とでは、脳波が明らかに異なる。こうした研究の端緒になるだろう」としている。(香取啓介)



asahi local kumamoto nihongi food cider

ラベルに遊女、往時しのばす 「二本木サイダー」好調

2008年8月29日17時5分

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写真発売以来好評な二本木サイダー。三浦さんも「こんなに人気になるとは思わなかった」と笑う=熊本市二本木4丁目

 明治から昭和にかけて西日本屈指の遊郭街だった熊本市二本木地区。JR熊本駅に近いこともあり、九州新幹線の全線開業をにらんだ「まちおこし」が模索さ れているが、その代表的なアイテムとして注目を集めているのが二本木サイダーだ。5月の発売以来、すっきりとした味わいで人気を集めており、すでに5千本 が売れたという。

 同地区の市民団体「二本木プランニングオフィス」(三浦秀一代表、約20人)が昨年夏、「二本木地区を広く売り出すモノが欲しい」と発案した。昨 年末に佐賀県小城市の飲料メーカーに依頼し、5月から本格的に製造を始めた。330ミリリットルのサイダーを瓶詰にし、1本250円で販売している。

 参考にしたのは昭和40年代まで、同地区のメーカーで製造され、市内全域で愛飲されていた「寿サイダー」。同地区の高齢者に約10種類の試作品を飲んでもらうなどし、当時の味の復活を目指した。

 その結果、一般的なものより炭酸が強めで、サイダー本来の味わいを強調したものが完成した。天然伏流水を使っているせいか、後味もすっきりしている。

 また、サイダー瓶に張られたラベルには、たばこを吸う着物姿の遊女が描かれており、「東雲楼(しののめろう)遊郭は文化の源流 豊かな宝庫」と明記。往時の二本木をしのんでいる。

 同地区周辺の米穀店や居酒屋など十数店で発売以来、「懐かしい味」との評判が広がり、売れ行きは上々。会合の記念品として配られるケースもあるという。

 今後はさらに販売規模を拡大することで二本木地区をPRしていく方針。三浦代表は「ラベルの張り付けを自分たちで行うなど、もうけはほとんどないが、二本木の名が広がるのはうれしい」と話している。問い合わせは、鳥井米穀店(096・325・1400)へ。



2008年8月28日木曜日

'Dead Sea Scrolls to Go Online - TIME'

Dead Sea Scrolls to Go Online

Fragments of the Dead Sea scrolls before infrared imaging, right, and after, left.
Israel Antiquities Authority / AP

(JERUSALEM) — Scientists using American space technology have started a huge project to digitally photograph the Dead Sea Scrolls, the oldest known version of the Hebrew Bible, and post it on the Internet for all to see, Israeli authorities said Wednesday.

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High-tech cameras using infrared photography are being used to uncover sections of the 2,000-year-old scrolls that have faded over the centuries and become indecipherable, the Israeli Antiquities Authority said.

The project is expected to take about five years and the goal is to make the scrolls accessible to scientists and the general public, Antiquities Authority official Pnina Shor said.

"Now for the first time the scrolls will be a computer click away," said Shor, who heads the authority's department responsible for the conservation of artifacts. "This will ensure that the scrolls are preserved for another 2,000 years."

Experts have complained for years that only a small number of scholars have been allowed access to the scrolls and the thousands of fragments that were found in caves near the Dead Sea in the late 1940s. In recent years, steps have been taken to widen access, but many of the findings are still not properly identified and categorized.

To protect the scrolls, Shor said, the new imaging will be done in a setting that minimizes exposure to light.

A pilot project started Wednesday and when it is finished, it will be possible to determine how long it will take to digitize the thousands of fragments from about 900 separate documents, Shor said, estimating five years.

The American space connection came through Greg Bearman, who recently retired as principal scientist for the NASA Jet Propulsion Laboratory. He offered the space-age imaging equipment.

"I am an archaeology buff," he told The Associated Press, and he brought imaging technology used in space to the Dead Sea Scrolls project. "This equipment is used to study planets," he said. "NASA uses the technology for imaging in space, and it works here."

Infrared technology was used to photograph all the findings in 1950, the Antiquities Authority said, but technology has advanced considerably since then.

The first scrolls were discovered by accident in 1947 by a young Bedouin shepherd who was chasing a runaway sheep. They were buried in a cave in Qumran, just above the Dead Sea — one of the most barren areas in the world.

Archaeologists began buying scrolls and fragments that appeared in marketplaces around the region, but many were damaged by their removal from the extreme dryness of the cave where they were buried for 20 centuries.

Occasionally, the Antiquities Authority, which is in charge of preserving the scrolls, allows the public to see some of them. A 24-foot section with the Book of Isaiah went on display in May to coincide with Israel's 60th anniversary celebrations.

A special hall called the Shrine of the Book at the Israel Museum in Jerusalem is dedicated to the scrolls, but the fragments on display there are copies.




<p> <a href="http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1836679,00.html?xid=rss-topstories">Dead Sea Scrolls to Go Online - TIME</a>.</p>

2008年8月27日水曜日

asahi shohyo 書評

適当な日本語 [著]金田一秀穂

[掲載]2008年8月24日

 京助、春彦に続く3代目は、言葉は変化するものであり、文法的正しさより「適切である」ことが望ましいという考えの持ち主。「こんにちわ」でなく「こんにちは」はなぜ正しいかなどの日頃の疑問に答えるほかパソコンでの漢字の使い分けも伝授。

表紙画像

適当な日本語 (アスキー新書 76)

著者:金田一 秀穂

出版社:アスキー・メディアワークス   価格:¥ 790