2009年10月25日日曜日

asahi culture industry book selection Maruzen Seigo Matsuoka

書店の中に個性派書店 目利きが選んだ本ずらり

2009年10月25日17時49分

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写真:丸善丸の内本店内の「松丸本舗」。らせん状の書棚を中心に、独自の視点で関連づけられた書籍が並ぶ=東京都千代田区、久保写す丸善丸の内本店内の「松丸本舗」。らせん状の書棚を中心に、独自の視点で関連づけられた書籍が並ぶ=東京都千代田区、久保写す

 目利きが選んだ本を並べたセレクト書店を書店内につくってしまおう――。書店大手の丸善が従来の枠にとらわれない実験を始めた。これまで、大型化を追求 してきた大手書店だが、アマゾンなどのインターネット書店が台頭し、出版物のデジタル化も進みつつある時代。店舗を持つ「リアル書店」の存在意義を問い直 す試みが始まっている。

 丸善が23日、東京駅前にある丸の内本店4階の一角にオープンさせたのは「松丸本舗(ほんぽ)」と銘打たれた“書店内書店”。2千冊以上の本の魅 力を伝える書評サイト「千夜千冊」の執筆者、松岡正剛氏がプロデュースした。街の小書店ならすっぽり入るぐらいの約215平方メートルに、松岡氏が選んだ 約5万冊が並ぶ。

 松岡氏のコンセプトは「本の連続性」。ジャンルや形態、著者別での陳列を離れ、本が持つ世界の広がりを感じさせる独創的な選書と陳列が特徴だ。ら せん状に並ぶ書棚の内側は、千夜千冊の掲載本を軸に2万冊の書籍や雑誌、マンガなどが独自の分類で関係づけられて並ぶ。その外周に「日本が変わる」のテー マでジャンルを超えた特集が組まれ、さらには、松本清張の蔵書棚や、作家の町田康、女優の山口智子といった読書家の書棚も再現する。

 斬新な書店が生まれた背景には、従来の書店への痛切な反省がある。

 毎日平均200冊以上が刊行される新刊書籍をそろえようと、大規模化の一途をたどってきた大手書店業界だが、「本が多すぎて読むべき本を選べな い」という顧客もいた。小城武彦社長は「書店はこれまでさぼってきた。個性がなく規模に頼っていた」と認める。その上で「ネット時代にリアルな書店はどう あるべきか考えていた。その答えが松丸本舗だ。書店とは人と本との邂逅(かいこう)の場。本と驚きを持って出会う場をつくっていきたい」と話す。

 丸善ほどの規模ではないものの、同じような取り組みは他の大型書店でも広がり始めている。リアル書店ならではの選書と陳列で読むべき本を提案し、 買ってもらおうという取り組み。出版不況の時代の読者が、「本屋さん」へ再び足を向けてくれる動機となるか注目されている。(久保智祥)




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