2009年10月1日木曜日

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無形文化遺産:ユネスコ「代表一覧表」に日本から13件

無形文化遺産に決まった「甑(こしき)島のトシドン」=文化庁提供
無形文化遺産に決まった「甑(こしき)島のトシドン」=文化庁提供

 アラブ首長国連邦・アブダビで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産委員会は30日、日本政府が08年9月に提案した14 候補のうち「京都祇園祭の山鉾<やまほこ>行事」など13件を無形文化遺産の「代表一覧表」に記載することを決めた。残る「木造彫刻修理」については、ユ ネスコの事前審査で厳しい評価が下されたことから、日本政府が9月23日に提案を取り下げていた。

 一覧表は、世界遺産の無形遺産版で、08年から候補の提案が始まった。世界遺産のように専門機関による現地調査は行わず、書類審査のみで記載可否 を決める。ユネスコが「人類の口承および無形遺産に関する傑作」の宣言をしていた能楽、人形浄瑠璃文楽、歌舞伎の3件は08年、審査なしで一覧表に統合さ れている。

 木造彫刻修理は、仏像や能面などを修理する国の選定保存技術で、財団法人美術院が保存団体。5月の事前審査で、各国が提案した111件のうち、木造彫刻修理を含む35件が情報不足などを理由に「記載不可」と勧告された。

 日本政府は当初、各国の提案通り記載がほぼ決まると見通していた。文化庁は「これほど(事前審査で)落とされるというのは予想外」としており、木造彫刻修理については10年再提案し、11年秋の記載を目指す。

 日本は、国指定の重要無形文化財と重要無形民俗文化財、選定保存技術の中から、分野や地域のバランスを考慮し指定時期の早いものから提案することにしており、09年も別の13件を提案している。【加藤隆寛】

 ◇無形文化遺産「代表一覧表」への記載が決まった13件◇

【重要無形文化財】

<芸能>雅楽

<染織>小千谷縮・越後上布(新潟)

<手漉(てすき)和紙など>石州半紙(せきしゅうばんし)(島根)

【重要無形民俗文化財】

<祭礼>日立風流物(茨城)、京都祇園祭の山鉾行事(京都)

<年中行事>甑(こしき)島のトシドン(鹿児島)

<生産・生業など>奥能登のあえのこと(石川)

<神楽>早池峰(はやちね)神楽(岩手)

<田楽>秋保(あきう)の田植踊(宮城)

<風流>チャッキラコ(神奈川)

<渡来芸など>大日堂舞楽(秋田)

<語り物など>題目立(だいもくたて)(奈良)、アイヌ古式舞踊(北海道)




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