2009年10月4日日曜日

asahi international government EU Lisbon Ireland

EU新基本条約発効へ アイルランドが批准可決

2009年10月4日0時2分

印刷印刷用画面を開く

ブログに利用するこのエントリをブログに利用

ソーシャル・ブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 【ダブリン=土佐茂生、ブリュッセル=井田香奈子】欧州連合(EU)の基本ルールを定める「リスボン条約」批准の是非を問うアイルランドの2度目の国民 投票は3日開票され、中央選挙管理委員会によると、賛成67.1%で批准が可決された。同国の批准で「アイルランドの国民投票の行方次第」としてきた未批 准国のポーランドとチェコも批准に動き、条約は早ければ来年初めにも発効する見通しになった。

 新条約はEUの意思決定の効率化や「EU大統領」新設をはじめとする政治的統合の強化を図るもので、発効すれば欧州統合が新しい段階に入ることを意味する。

 EUは、単一通貨ユーロの導入をはじめ経済統合を進めてきたが、外交や安全保障、地球規模の課題に一致して対応するための政治統合の必要性が高まり、そのための意思決定の迅速化、効率化も課題となってきた。

 新条約では、EUの最高意思決定機関、欧州理事会の常任議長(EU大統領)や、外相に相当する外務・安全保障上級代表を創設し、EU政策の一体性や継続性を高める。全会一致から特定多数決を基本とする方式に改めて意思決定をしやすくする。欧州議会の権限も強化する。

 EUは07年に新基本条約に調印、09年1月の発効を目指していた。しかし、昨年6月、加盟国で唯一、批准の是非を国民投票にかけたアイルランドが否決した。

 今回、アイルランド国民が批准支持へと動いたのは、昨秋の世界金融危機の影響が大きいとみられる。危機後、好調だった同国経済は失速したが、EU加盟国でユーロを通貨としていたことで、経済破綻(はたん)したアイスランドのような最悪の事態を回避できた。

 〈リスボン条約〉 加盟国が現行の基本条約(ニース条約)成立時から12増えて27カ国になったことに伴って、政治統合の深化や意思決定の迅速化 を目的に07年末に調印された。発効には全加盟国の批准が必要。アイルランドのみ同国憲法の規定で批准の際に国民投票を実施しなければならなかった。




0 件のコメント: