輝きは400年前の光 「ティコの超新星」位置とらえた
ティコの超新星の残骸の合成画像=独マックスプランク天文学研究所提供
デンマークの天文学者ティコ・ブラーエが1572年に見つけ、「ティコの超新星」として知られる超新星爆発の光を、ハワイのすばる望遠鏡がとらえた。周 辺のちりなどに反射して、400年以上遅れて地球に届いた光で、分析の結果、超新星は地球から約1万2千光年離れていると特定された。4日付の英科学誌ネ イチャーに発表した。
超新星爆発は太陽より3倍以上重い星が一生の最期に起こす。国立天文台と東京大、独マックスプランク天文学研究所のチームは、現在の地球に届いている爆発の反射光をすばる望遠鏡で探索。9月に超新星の残骸(ざんがい)周辺から届く淡く広がった光をとらえた。
この光を詳細に分析し、位置を割り出した。これまで地球から7千〜1万6千光年と推計されていたが、残骸が放出する光だけでは、特定できなかった。
宇宙の膨張の様子を調べるのに使うタイプの超新星(1a型)であることも確認できた。「ティコの超新星」は銀河系内にあり、このタイプでは地球に 最も近いことになる。今回の手法で爆発の反射光の観測を積み重ねれば、超新星爆発の3次元構造や、宇宙の膨張の行方を左右する謎のダークエネルギーの解明 につながる可能性がある。(桜井林太郎)
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