2008年12月10日水曜日

asahi archeology history Nara Takamatsuzuka

高松塚古墳の飛鳥美人「損傷の修理は不可能」

2008年12月10日19時31分

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 奈良県明日香村、高松塚古墳(7世紀末〜8世紀初め、特別史跡)の「飛鳥美人」と呼ばれる極彩色壁画(国宝)が損傷した問題で、壁画修理を指揮する東京 文化財研究所保存修復科学センターの川野辺渉・副センター長が10日会見した。剥落(はくらく)部分は見つからず、「損傷個所の修理は不可能」と述べた。

 損傷したのは、古墳石室の東壁に描かれていた女子群像画で、壁画の修理中に機材の先端が緑色の衣装部分に触れ、長さ約3ミリ、幅約1ミリにわたり剥落し た。損傷個所から約40センチ離れた壁面上で、剥落部とほぼ同じ大きさの破片が9日に見つかったが、緑色の顔料がなく、以前にはがれ落ちたものとわかっ た。周囲の床なども調べたが何も見つからなかったという。

 文化庁が損傷について発表したのは事故発生から2週間後だった。同庁から川野辺氏への連絡も公表前日だったという。川野辺氏は「損傷後すぐに担当 者が捜していれば、破片を見逃すことはなかっただろう」と話した。損傷個所の状態は安定しており、これ以上傷む恐れはないという。



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