2008年12月26日金曜日

asahi Okuyami おくやみ

英劇作家・ピンター氏死去 05年ノーベル文学賞

2008年12月26日0時10分

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写真ハロルド・ピンター氏=ロイター

 【ロンドン=土佐茂生】英メディアによると、英国の劇作家で05年にノーベル文学賞を受賞したハロルド・ピンターさんが24日死去した。78歳だった。妻が明らかにした。長くがんを患っていたという。

 30年にロンドン北東部でユダヤ系ポルトガル人の家庭に生まれた。51年に舞台俳優を始め、57年に初の戯曲「部屋」を執筆。59年の「管理人」で劇作家の地位を確立した。

 追い詰められた人間を突き放した目で見つめ、乾いた笑いを生む作風で知られる。代表作に「昔の日々」「誰もいない国」など。地下室で仕事を待つ2人の殺 し屋が登場する「料理昇降機」は日本でも上演されている。「フランス軍中尉の女」「スルース」など映画の脚本も執筆した。

 05年にノーベル文学賞を受賞。スウェーデン・アカデミーは授賞理由を「日常のおしゃべりに潜む危機を暴き、抑圧された空間に入り込もうとした」としている。

 政治的発言も多く、99年の北大西洋条約機構(NATO)のユーゴスラビア空爆に抗議。03年のイラク戦争開戦にも反対の立場を示した。ノーベル 賞の受賞講演ではイラク戦争を「露骨な国家テロ」と糾弾、主導したブッシュ米大統領とブレア英首相(当時)を「戦争犯罪人」と呼び、国際刑事裁判所 (ICC)で訴追されるよう訴えた。



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