2008年12月25日木曜日

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サンタはどこだ?「機密技術」駆使、米軍の追跡大作戦

2008年12月25日12時55分

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写真北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)のサンタ追跡本部で、世界中からかかってくる子供たちの電話に答える軍人ら=ピーターソン空軍基地、梅原写す

 防空警戒網の先端で日夜目を光らせている軍人たちが、クリスマスの時だけ、違う顔をのぞかせる。「機密技術」を駆使してサンタクロースの位置情報をつか み、子供たちに教える——半世紀以上前から続き、ネットで世界中からアクセスを呼ぶ恒例行事、米軍の「大作戦」の現場を24日、訪ねた。(ピーターソン空 軍基地〈米コロラド州〉=梅原季哉)

 零下十数度の寒気の中、基地内に設けられたサンタ追跡本部にこの日未明、軍人や家族らが集まった。世界中からかかってくる電話やメールの問い合わせに応対する1200人以上のボランティアの最初の班だ。

 米山岳部時間午前4時(日本時間午後8時)、電話が鳴り始めた。大多数の質問は「サンタさんはどこにいるの」だ。「君はどこからかけているの。サ ンタがそこに行くころまでには寝てなきゃダメだよ」。軍人たちが優しく答える。「お礼に何したらいいの」と幼い声の問い合わせには「サンタはクッキーが好 きだけど、トナカイはニンジンがいいよ」とアドバイス。

 時おり「だれかロシア語を話せる人はいないか」「フランス語でメールが来た」といった声が上がり、文字通り地球規模の大作戦だ。日本からのメールには、退役軍人の夫がいるブリス直子さん(56)がローマ字で返事を書いた。

 この基地に置かれる北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)がサンタ追跡の本拠地になったのは、53年前のクリスマスイブの偶然がきっかけだ。「サ ンタと話そう」という新聞広告の電話番号が、誤植でNORADの前身の司令部の番号になった。当時、ここは冷戦下でソ連のミサイル探知を担う第一線。殺到 した間違い電話に対し、その夜の当直将校がとっさに、「防空レーダーを使って探知する」ことを思いついた。 

 飛躍的に広まったのは、98年にウェブサイトで位置情報を掲示するようになってから。グーグルなど大企業のスポンサーもつき、ボランティア組織として運営。日本語を含む7カ国語で、サンタの位置情報をアニメーション表示している。

 NORAD司令官のジーン・ラニュアート空軍大将は、探知技術の詳細や、サンタとの連絡方法は「最高機密」と答えた。「大人の世界での国家間の様々な相違にもかかわらず、子供たちのための営みが続いてきたことは平和の象徴だ。誇らしく思う」

 ウェブサイトはhttp://www.noradsanta.org



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