2008年12月12日金曜日

asahi archeology Japanese history Nara Asuka Takamatsuzuka

高松塚「白虎」に白っぽい物質 カビ除去作業が原因か

2008年12月12日0時53分

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写真「白虎」の左前脚の赤い爪部分の拡大写真。爪の先が白い物質で覆われている=文化庁提供

写真72年の発見当時の「白虎」。円内は白い物質が一部覆っていた部分=奈良県立橿原考古学研究所編「壁画古墳高松塚」から

 高松塚古墳(奈良県明日香村、7世紀末〜8世紀初め)の国宝壁画のうち、最も劣化が激しい石室西壁の「白虎」(縦25センチ、横50センチ)に、白っぽ い物質が上から覆い、見えにくくなっている部分があることがわかった。奈良文化財研究所が11日、有識者でつくる高松塚古墳壁画劣化原因調査検討会で報告 した。過去のカビ除去作業の際などに溶けた漆喰(しっくい)が付いた可能性もあり、今後成分を詳しく調べる。

 奈文研によると、白虎の左前脚の赤い爪(つめ)(約6ミリ)を顕微鏡で拡大撮影すると、先を白っぽい物質が覆い、赤が薄れているのが確認できた。 まだ白虎の上半身程度しか調査は終わっていないが、同様の場所が十数カ所あり、背中や目の描線の一部など、完全に消えてしまった部分もあるという。

 また、検討会の冒頭、「飛鳥美人」と呼ばれる東壁の女子群像が損傷した問題について、文化庁の高杉重夫・文化財部長が「大事な国宝を扱っているのに深く反省している。迅速な情報共有を再度徹底するとともに、再発防止の取り組みを進めたい」と陳謝した。(渡義人)



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