2008年12月11日木曜日

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アイルランド、再国民投票へ EU新条約めぐり来秋にも

2008年12月11日7時22分

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 【ブリュッセル=井田香奈子】欧州連合(EU)の機能を強化する新基本条約(リスボン条約)の批准を加盟27カ国のうち唯一、国民投票で否決したアイル ランドが、来年に再び国民投票を実施する方針を固めた。カウエン首相が11日にブリュッセルで始まるEU首脳会議で再投票への意欲を表明し、加盟国も了承 する見通し。複数のEU外交筋が明らかにした。

 10年1月の条約発効を目指し、再投票は来年秋になる公算が大きい。ただ、アイルランド側は国民の反発を和らげるために「欧州委員枠の確保」などの条件をEU側に求める意向で、「特別扱い」をどこまで認めるかが議論になりそうだ。

 リスボン条約は、EUの顔となる常任の大統領職の創設や、全加盟国一致でなくても議決できる余地を広げるなどの機構改革が目的で、すべての加盟国 の批准が必要。ほとんどの加盟国は議会承認で批准したが、アイルランドは憲法に基づき今年6月に国民投票を実施し、否決された。

 アイルランドのマーティン外相は、8日の外相理事会で国民投票の「敗因」を分析。新条約によるEUの機構改革で、現在各国1人の欧州委員枠を失う 懸念や、低い法人税率や軍事的中立性、中絶禁止などの伝統的なアイルランドの政策が損なわれることへの恐れが国民にあるとした。

 一方で、EU加盟自体には「国民の7割は満足している」とし、最近の世論調査で賛成派が増えたことや、議会が「再度の国民投票に法的問題はない」と判断したことも同政府にとっては追い風となっている。

 再投票で再び否決されれば条約発効の目はほぼなくなるという危機感は、各国とも共有している。条約の条文は変えず、補足議定書などで欧州委員の「1国1人枠」を確保したり、アイルランドに条約の一部の順守を免除したりするなどの対応を検討することになりそうだ。

 ただ、「特別扱い」が過ぎれば他国の不満も招きかねない。ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3カ国は「欧州委員の減少はリスボン条約の改革の柱のはず」などと、再投票に迎合するあまり条約の理念が骨抜きになることに懸念を示している。



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