2008年12月10日水曜日

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「やったーって感じ」新種の化石、小4が発見 和歌山(1/2ページ)

2008年12月10日20時45分

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写真発見した化石を手にする熊谷菜津美さん=10日午後、和歌山県庁南別館、荒元忠彦撮影

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写真熊谷菜津美さんが見つけた化石。左がはさみ、右が頭から腹にかけての部分=10日午後、和歌山県庁南別館、荒元忠彦撮影

図ホプロパリア・ナツミアエの想像図

 和歌山県湯浅町の白亜紀前期(約1億3千万年前)の地層から新種の甲殻類(エビやカニの仲間)の化石5種が相次いで見つかった。同県立自然博物館(海南 市)が10日発表した。白亜紀前期は現在のエビやカニの祖先が誕生したころで、その化石の発見はまれという。うち1種は大阪府阪南市の小学4年、熊谷菜津 美(なつみ)さん(9)が見つけた。

 同博物館によると、熊谷さんが見つけたのはロブスターなどの祖先にあたるアカザエビ科ホプロパリア属の化石で、頭から腹(長さ5.3センチ)と、 左のはさみ(長さ5.1センチ)の部分。熊谷さんの名前にちなんで「ホプロパリア・ナツミアエ」と命名された。「アエ」はラテン語で女性を示す言葉。

 熊谷さんは小学3年だった07年12月、化石探しイベントに初めて参加。終盤まで何も見つからず、あきらめかけたころ、両手で持てるくらいの岩を 金づちで割ると断面に化石が現れた。指導していた同博物館の小原正顕学芸員は珍しいものと思わなかったが、文献を読んで新種の可能性があることを知り、他 の博物館と共同調査した。

 熊谷さんはその後も化石探しを続けている。10日に和歌山県庁南別館で記者会見し、「発見した時に『やったー』って気分になるから楽しい」と目を輝かせた。今回の化石は同博物館に寄贈。「自分の名前がずっと残るし、博物館でいろんな人に見てもらえるから、うれしい」

 他の4種の化石は過去約20年間に同じ地層で見つかり、昨年から同博物館などが調べていた。和歌山県串本町の会社員左向(さこう)幸雄さん (56)が見つけた「クサンソシア・サコイ」は、カニの仲間のクサンソシア属の化石としては北太平洋地域初の発見例で、世界最古のものという。



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