遺骨、やっぱりニコライ2世だった 米ロ専門家が確認
【モスクワ=副島英樹】ロシア・ロマノフ王朝の最後の皇帝ニコライ2世のものとされてきた遺骨が、遺伝子鑑定で「本物」と最終確認された。ロシア検察捜 査委員会主催の会議で5日、ロシアと米国の専門家が発表した。エリツィン政権時代に「本物」と認定されて以降も偽物説がくすぶり、確認作業が続いていた が、これで一家7人全員の遺骨が最終的に確認された。
インタファクス通信などによると、ロシアの専門家は、ニコライ2世が皇太子時代に日本を訪問した1891年、大津事件で負傷した際にシャツに残された血痕と、一家が処刑されたエカテリンブルクで91年に発掘された遺骨のDNAが一致したと述べた。
また、米国の専門家は、07年に見つかったニコライ2世の長男アレクセイ皇太子の遺骨や、いとこのアンドレイ・ロマノフの遺骨とのDNA比較でも「百%一致するとの結論に達した」と語った。
皇帝一家はロシア革命翌年の1918年、ソビエト政権に使用人らとともに銃殺された。皇帝が幽閉されていたウラル地方のエカテリンブルクで9体の遺骨が91年に発見され、その後、長男と三女マリアの遺骨が見つかっていた。
ニコライ2世のものとみられた遺骨は98年、当時のエリツィン大統領主導で歴代皇帝が眠るサンクトペテルブルクに埋葬されたが、一方で偽物説もくすぶり、ロシア正教会は本物と認めてこなかった。
今回の結果を受けて、検察捜査委員会は、近く調査を終結すると表明。ロシア正教会関係者も「教会内部で協議して判断する」と話している。
0 件のコメント:
コメントを投稿