2008年12月2日火曜日

asahi science archeology biology turtle fossil

カメの甲羅、起源はろっ骨? 中国で最古の化石

2008年12月1日11時56分

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写真オドントチェリス・セミテスタセアの復元図(作・Marlene Donnelly氏)=ネイチャー提供

写真オドントチェリス・セミテスタセアの化石(背中側)。目盛りは2センチ=ネイチャー提供

写真オドントチェリス・セミテスタセアの化石(腹側)=ネイチャー提供

 【広州=小林哲】中国貴州省の2億2千万年前の地層から、腹側だけが甲羅で覆われた原始的なカメの化石が見つかった。全身が甲羅で覆われる進化の途上に ある個体とみられ、甲羅の起源は硬くなった皮膚ではなく、発達した肋骨(ろっこつ)とする説を裏付ける有力な証拠となる。中国とカナダ、米国の研究チーム が英科学誌ネイチャーに発表した。

 化石は全長約40センチ。欧州で見つかった最古のカメ化石より1千万年ほど古い。腹側の甲羅は、現代のカメと似た構造を持っているが、背中には、甲羅ができる前段階とみられる発達した肋骨などがあった。口には歯があり、背中側からみるとまるでトカゲのようだった。

 甲羅の起源には、皮膚が硬くなり骨と融合してできたとする説もあった。今回の化石の背中にはそれを裏付ける痕跡がなく、肋骨や背骨が発達して背中を覆ったとするもう一方の説が有力になった。

 化石のあった場所は、地層から海域だったことがわかっている。カナダ自然博物館の呉肖春研究員は「カメの祖先は海で進化し、泳ぐ際に下から襲われるのを防ぐため、まず腹側から甲羅が発達した」とみている。

 化石は、ラテン語で甲羅に半分覆われた歯のあるカメという意味の「オドントチェリス・セミテスタセア」と名付けられた。



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