2009年9月2日水曜日

asahi shohyo 書評

ラバウル温泉遊撃隊 [著]山崎まゆみ

[掲載]2009年8月30日

  第2次大戦中、パプアニューギニアのラバウルに、日本兵が入った温泉があった。その「花吹温泉」を、70年生まれで温泉ライターの著者が訪ねる。日本兵の 温泉はそこだけと思っていたが、「宇奈月温泉」という別の温泉がジャングルの中にあったらしいと聞く。まったく知られていない「幻の温泉」。

 日本に戻って元日本兵を訪ね歩き、宇奈月温泉が実在したこと、そこに日本軍の「温泉遊撃隊」という名称の部隊があったことを突きとめる。岐阜県に住む温泉遊撃隊長にも会い、宇奈月温泉を探しに再びラバウルに向かう。著者の情熱がほとばしる一冊だ。

表紙画像

ラバウル温泉遊撃隊

著者:山崎 まゆみ

出版社:新潮社   価格:¥ 1,470

0 件のコメント: