月面、水が存在か 今も太陽側で生成? 3探査機観測
太陽からやってくる水素イオンが月面に水を作るイメージ=米メリーランド大など提供
【ワシントン=勝田敏彦】月面は乾燥した世界だと考えられていたが、実は、砂の表面に結合する形で水が広い範囲にわたり存在しているとみられる証拠が、 インド・チャンドラヤーン1号など三つの探査機の観測で初めて確認された。24日付米科学誌サイエンス(電子版)に論文が3本まとめて掲載される。
観測したのはチャンドラヤーンのほか、土星探査機カッシーニ、彗星(すいせい)探査機ディープインパクト。いずれも水(H2O)か、水のもとにもなるヒドロキシ基(OH)の存在を示す波長の光を検出していた。
水およびヒドロキシ基は、太陽に向いた月面の昼側で主に観測された。砂の表面の酸素原子(O)が、太陽から高速で飛んでくる水素イオン(H+)と結びつくことで、水やヒドロキシ基になったらしい。水は、現在も月の表面の太陽側で作られ続けているとみられる。
砂に結合した形の水は、加熱すれば取り出すことができる。将来の有人探査などに役立つ可能性はあるが、ディープインパクトの観測データでは含有率 は0.5%未満。研究者はAP通信に「水を1杯飲むには、野球場のダイヤモンドほどの面積の砂を集める必要がある」と語っている。
これまでにアポロが持ち帰った月の石からわずかな水が検出されているが、地球上の水が混入したとみられていた。
また月の南極にある日の当たらないクレーターに氷が残っていると期待され、日本の「かぐや」が観測したが、確認できなかった。
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