2009年9月20日日曜日

mainichi yurakucho publisher shuppan Akita Mumyosha

憂楽帳:地方出版

 秋田支局の本棚に並ぶ「無明舎(むみょうしゃ)出版」(秋田市)の本。秋田の自然、歴史などを学ぶ上で、大変役に立つ。

 無明舎出版は、秋田大学在学中だった安倍甲(あんばいこう)さん(59)が1972年に開いた古本屋が始まり。名前は「偉く見えそう」と仏教用語からとった。舎員4人は設立時から。これまでに1000を超える本を出している。出版不況の中、珍しく無借金経営だ。

 一番売れた本は自身の第一作の1万部。しかしこれがピーク。そこで、20年ほど前から出版時に得た膨大な写真や古地図などの資料の再利用を考えて きた。そして今、それらを使って、省庁などのイベントに独自の提案をし、次々に採用された。出版するからこそ集まる資料。これを利用して提案し、その収入 を出版につなげる"好循環"。「爆発的に売れたり、ビルが建つような事業ではない。次の仕事ができる環境にあればいい」という。

 好奇心という言葉が好きだ。本作りは、自分の知らなかった世界を見せてくれる。「一瞬でも長く作り続けていきたい」【松永東久】

毎日新聞 2009年9月19日 13時04分



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