島言葉:継承へデジタル化 沖縄の学校で活用
沖縄県の有識者でつくる「しまくとぅば(島言葉)検討委員会」はこのほど、ウチナーグチ(沖縄方言)継承・普及のため、お年寄りが話す映像をデジ タル保存して学校などで学べるようにするなど今後の取り組みをまとめ、金武(きん)正八郎(せいはちろう)教育長に提言した。県教委は来年度から実施する 方針。検討委によると、都道府県が方言をデジタル保存して活用する取り組みは初めてという。
1872年に琉球王国を琉球藩とし、7年後に沖縄県を置いた明治政府の琉球処分後、沖縄では「標準語励行運動」が進み、学校では方言を使った子どもに「方言札」をぶら下げる罰もあった。戦後も運動は続いたため、方言の使い手はお年寄りで今では少数派だ。
方言を言語としてとらえるユネスコ(国連教育科学文化機関)は2月、鹿児島の「奄美語」や東京・八丈島の「八丈語」とともに、沖縄の「国頭(くに がみ)語」「沖縄語」「宮古語」「八重山語」「与那国語」が消滅の危機にあると認定している。一方、沖縄県は06年3月、語呂合わせで9月18日を「しま くとぅばの日」とし、方言を広める条例を定め、検討委に具体策の検討を依頼していた。
検討委は(1)高齢者が話すウチナーグチや沖縄芝居などを映像として記録し、文章やDVDなどで保存する(2)児童生徒が学べるよう易しい小冊子 を作る(3)ウチナーグチを教えられる教師を育てる−−ことなどを求め、各市町村でも記録保存を進めるべきだとしている。【三森輝久】
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