「しんちゃん」作者の臼井さん、死亡確認 絶壁の岩場
「クレヨンしんちゃん」作者の遺体収容
遺体収容のため荒船山の「艫岩」下に降下する群馬県警ヘリ。上は艫岩の展望台=20日午後2時58分、本社ヘリから、安冨良弘撮影
「クレヨンしんちゃん」第49巻(双葉社)と「月刊まんがタウン」10月号(同)
群馬・長野県境の荒船山(標高約1423メートル)で19日に発見された男性の遺体は、人気漫画「クレヨンしんちゃん」の作者・臼井儀人(うすい・よし と〈本名・義人〉)さん(51)=埼玉県春日部市=であると確認された。群馬県警が20日夜、発表した。遺体は同日午後、県警がヘリコプターで収容し、下 仁田署に搬送。歯型や遺留品などから身元が判明した。
同署によると、遺体は群馬県下仁田町南野牧の荒船山にある台地状の岩「艫岩(ともいわ)」の頂上から約120メートル下の岩場で発見された。損傷 がひどく、Tシャツや下着の一部が残っていたという。検視の結果、全身を強く打っており、遺体の状況や足取りから死亡したのは11日午後とみられる。家族 や出版元の双葉社(東京都)の社員も遺体を確認した。
遺体の周辺からは臼井さんのリュックサックや携帯電話なども見つかった。登山中に転落した可能性が高いとみているが、さらに慎重に調べを進める。
県警の調べでは、臼井さんは11日午前9時50分ごろ、上信電鉄下仁田駅で下車。タクシーに乗り、荒船山の登山口の一つ「内山口」(長野県佐久市)で同10時半〜11時ごろ降りたのが確認されている。
艫岩は約200〜300メートルの絶壁が南北約2キロにわたって広がる台地状の巨岩。頂上から見える絶景が人気で、群馬、長野県側からの登山ルートは一般客でも1時間半ほどで登れるという。
臼井さんは11日、「荒船山に登山に行く」と家族に伝えて自宅を出た。同日夕に帰宅予定だったが戻らないため、家族が12日に捜索願を出していた。
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