2009年9月24日木曜日

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脳の「海馬」:形成に関与する遺伝子を発見 名古屋大

 名古屋大学大学院医学系研究科の高橋雅英教授と同大高等研究院の榎本篤講師らのグループが、記憶や学習にかかわる脳の一部「海馬」の形成に重要な 役割を果たしている遺伝子を発見し、24日付の米科学誌ニューロンに発表した。海馬はてんかんや統合失調症などとの関連が指摘されており、高橋教授は「精 神・神経疾患が発症する仕組みの解明に役立つのでは」と話している。

 海馬形成への関与が見つかった遺伝子は、「ガーディン」と呼ばれるたんぱく質。

 高橋教授らはガーディンのないマウスを作成して海馬を観察した。通常一列に並ぶはずの未熟な神経細胞が位置に異常を起こしたことから、ガーディンが新生した神経細胞の位置決定を制御していることを突き止めた。

 さらに、同様の位置異常が統合失調症の原因遺伝子とされる「DISC1」の量を低下させた場合でも報告されていることから、ガーディンとDISC1が協調的に働いている可能性を検討。

 両者が細胞内にあっても結合していないと位置異常が起きるため、二つの遺伝子の結合が海馬の神経回路の形成に重要であると結論付けた。【高橋恵子】

毎日新聞 2009年9月24日 2時05分





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