2009年9月20日日曜日

nishinippon culture local art masahiro Tashiro kitabi

筋ジスと闘いながら絵筆 直方市の田代さん 北九州市立美術館で8回目の個展に挑む

2009年9月18日 01:47 カテゴリー:九州 > 福岡
作品「歓(よろこ)びの花」(2000年制作、0号)
田代勝大さん

  筋肉が萎縮(いしゅく)していく病気の筋ジストロフィーと闘いながら絵筆を持ち続ける直方市植木、田代勝大さん(34)が、これまでの作品を厳選して展示 する8回目の個展を、22日から27日まで北九州市戸畑区西鞘ケ谷町の市立美術館別館で開く。「多くの人と触れ合い、作品の評価も受けたい」と話してい る。

 病気のため車いすの生活。両腕も動かしにくいため1作品完成まで、数カ月かかるという田代さん。「病気はあまり意識していない。ただ、元気でいられる時間が人より短い。その限られた時間を絵画に充てて自分らしく生きたい」と絵画への思いを語る。

 今回展示するのは「制作で最も充実していた」という25歳前後の作品。写真を見て描いた長崎県各地の教会、直接出向いた門司港(北九州市)風景、花、鳥など。青を基調に、綿密に描いた写実的な作品が中心。はがき2枚大程度の油彩約20点。

 田代さんは、岡山県で過ごした小学3年生のころ病気が判明。岡山市の岡山養護学校高等部1年のころ、絵に興味を持ち、友人と美術部を創部した。高等部途中で両親の古里・直方市に移り制作を続けている。

 「最近、テーブルに向かっても疲れが出やすくなった。個展10回を目標にして強い気持ちを維持したい。制作中の教会の絵も完成させたい」と意欲を見せる。田代さんは期間中、会場で来場者を迎えるという。24日は休館。同美術館=093(882)7777。

=2009/09/18付 西日本新聞朝刊=




0 件のコメント: