2009年9月21日月曜日

mainichi shasetsu 20090921

社説:対米外交 普天間、給油で具体策を

 鳩山由紀夫首相は21日に訪米し、本格的に「鳩山外交」をスタートさせる。国連気候変動ハイレベル会合出席を皮切りに、国連総会演説、オバマ米大統領との初の首脳会談、核不拡散・核軍縮に関する安保理首脳会合、主要20カ国・地域(G20)首脳会議と日程は目白押しだ。

 鳩山連立政権にとって、最大の外交課題は対米関係の構築である。来月前半の訪中後には、ゲーツ米国防長官が来日するほか、11月中旬にオバマ大統 領が初来日する。対米関係で鳩山首相は、首脳同士の信頼関係づくりを優先させる考えを表明した。政権トップの互いの信頼が大切であることは論をまたない。 しかし、日を置かずして具体的課題への対応が迫られることも現実である。

 まず政治日程に上るのが、米軍再編に関連する沖縄・米軍普天間飛行場移設の問題だ。連立政権合意では米軍再編などについて「見直しの方向で臨む」 としたが、中身は明らかでない。日米両政府は沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設で合意しており、米政府の基本姿勢はこの実施である。

 10月13日には、過去の日米合意に基づく移設先について防衛省が実施した環境影響評価の準備書に対する沖縄県知事の意見提出の法的期限を迎え る。新政権の方針が明確でないため地元は困惑している。知事が意見を提出すれば現行の合意で既成事実が積み上がり、意見内容しだいでは、地元と政府で「ね じれ」が生まれる可能性もある。準備書を取り下げるとすれば、事前に米政府との調整も必要になろう。そして、年末には来年度予算編成も控える。

 民主党の本来の主張である県外(国外)移転を求めるのか、党内にある沖縄・米空軍嘉手納基地との統合案が再浮上するのか、それとも他の道を探るのか。岡田克也外相は年末までに方針を決める意向のようだが、遅すぎるのではないか。

 また、10月下旬に召集される予定の臨時国会では、来年1月15日に期限を迎えるインド洋での海上自衛隊による給油活動の継続問題がテーマとな る。米政府は公式には給油継続への期待を表明している。北沢俊美防衛相は撤収を明言したが、岡田外相は「単純延長はしない。それ以上でもそれ以下でもな い」と歯切れは悪い。

 期限切れと同時に撤収するなら、代替策の提示を迫られる。国内では給油活動が「安上がりで安全な貢献策」との意見も根強く、アフガニスタン支援で新たな貢献策の選択肢は限られているのが実情だ。

 鳩山首相には、オバマ大統領との信頼づくりと並行して、政治日程を勘案しながら、これら懸案の具体策を提示してもらいたい。

毎日新聞 2009年9月21日 0時02分




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