2009年9月29日火曜日

asahi shohyo 書評

プルースト逍遥—世界文学シュンポシオン [著]室井光広

[掲載]2009年9月27日

  プルーストの大長編『失われた時を求めて』の3種類の邦訳を行きつ戻りつ読みくらべながら、著者の思考はセルバンテスの「ドン・キホーテ」やモンテーニュ の「エセー」、キルケゴール、フロベール、ドストエフスキー、カフカと文学や哲学世界を自在にへめぐる。「引用のカーニバル」とも呼べる小説だからこそ可 能になる、うっそうとした森の大小さまざまな道を行くような「逍遥」は知的な刺激に満ちて楽しい。豊かな読書の蓄積に裏打ちされて、連想はさらなる連想を 呼び、クモの巣のように広がっていく。その思考の道筋が美しい。

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ドン・キホーテ 全6冊 (岩波文庫)

著者:セルバンテス

出版社:岩波書店   価格:¥ 4,956

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エセー〈1〉

出版社:白水社   価格:¥ 2,100

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エセー〈2〉

著者:ミシェル・ド モンテーニュ

出版社:白水社   価格:¥ 2,205

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エセー〈3〉

著者:ミシェル・ド モンテーニュ

出版社:白水社   価格:¥ 1,995

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