偶然見つけた「石」、実は国内2番目に古い化石
公開されたミョウガガイ類の化石。泥岩にうろこ状の殻が鮮明に浮き出ている=三笠市立博物館、高橋写す
北海道三笠市の原田繁男さん(72)が約40年前に市内の山の中で偶然見つけた「石」が、国内で2番目に古い標本となるミョウガガイ類の化石だったことが分かった。原田さんからの寄贈を受けて同市立博物館が19日、一般公開した。
同館によると、ミョウガガイ類は貝ではなく、海岸の磯の岩の割れ目などに固着しているフジツボの仲間。今回の化石は2.5センチ四方で、アンモナイトが 出る後期白亜紀の地層(約9千万年前〜8600万年前)の泥岩の中にあった。うろこ状の茶色の殻が鮮明に浮き出ているが、えさをとるために開閉する頭上部 が欠けている。
発見から4、5年後に、国立科学博物館(東京)で鑑定してもらったが、当時は、ミョウガガイ類の化石の専門家がいなかったため、珍しさがはっきり していなかった。しかし、06年から京大大学院でこの化石を研究していた野村真一さん(28)=現・千葉県立天羽高校教諭=らが再鑑定。その結果、これま で国内で発見がなく、欧州や北米など大西洋地域で多く出ているミョウガガイ類のストラメンタム属と分かった。今年7月、世界的に有名な英国の化石専門の古 生物学会誌でも紹介された。公開は11月1日まで。(高橋賢司)
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