2009年9月3日木曜日

asahi life food Belgium beer

白・紫・琥珀色… 個性的ベルギービール、輸入5年で倍

2009年9月3日18時0分

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写真:グラスに注ぎたてのベルギービール。鮮やかな色合いも特徴だ=東京都墨田区グラスに注ぎたてのベルギービール。鮮やかな色合いも特徴だ=東京都墨田区

 国産ビールよりも割高なのに、ベルギービールがじわりと支持を広げている。輸入量はこの5年で倍増。ハーブやスパイスを使った独特の風味や色合いなど 「個性の豊かさ」が受けているようだ。ベルギー国内には約800銘柄あるとされる。日本の大手ビールメーカーも販売権の獲得に動いている。

 東京都墨田区のレストラン「ハーモニック」では、17種類の生ビールのうち、ベルギービールで5種類を用意。国産ビールの1杯550円に対し、ベルギービールは600〜950円とやや値は張る。それでも人気は高く、月間のビール売り上げの約2割を占めるという。

 ベルギーでは、大小さまざまな醸造所が、麦以外にもハーブやスパイス、果実などを原料に使い、独自の味わいを競う。色も、ふつうの黄金色のほか、 紫色、白濁色、琥珀(こはく)色など多彩で、銘柄ごとにグラスの形も違う。アルコール度数は3度以下もあれば11度以上もあるなど幅広い。

 日本では、80年代半ばから一部の酒造会社などが輸入に力を入れ、専門の飲食店を舞台にファンを増やしてきた。小西酒造(兵庫県伊丹市)では88年から輸入を始め、現在は約40〜70銘柄を扱う。08年度の販売実績は、前年度より約20%伸びたという。

 国内大手ビールメーカーも、ベルギービールに本腰を入れ始めた。アサヒビールは96年から販売する「ベル・ビュー・クリーク」に加え、昨年9月、 海外メーカーから「ヒューガルデンホワイト」「レフ」など6銘柄10品目の販売権を獲得。契約先の飲食店も昨年9月の400店から9カ月で800店に増え た。

 輸入ビールは90年代前半、円高で割安感が出たことから注目を集め、93年にはダイエーが国産品を下回る価格で販売し拡大。94年は約32万キロ リットルが輸入されてピークを迎えたが、その後、国内で発泡酒や第3のビールが登場すると価格の優位性をそがれ、失速した。90年代とは違い、高級感で売 るベルギービールは女性らの人気も高く、ブームは息が長そうだ。

 財務省の貿易統計などによると、08年の外国産ビールの輸入量は3万3千キロリットルで、03年より5千キロリットル減った。これに対し、ベル ギービールの輸入量は、03年に1千キロリットルだったのが、08年には2200キロリットルに倍増。今年1〜6月の輸入量も昨年を上回るペースとい う。(内山修)




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