真顔で「妻は太陽」…飾らない鳩山流<1>
「妻は太陽」と語るほどの愛妻家ぶりと、政治家臭くない柔軟さ——。
16日に第93代の首相に選出される民主党代表の鳩山由紀夫さん(62)は、4代続いて国会議員を出した家柄や、東大工学部卒という「理系」の肩書だけでなく、個性あふれる言動でも注目されてきた。身近に接した人たちは、その人柄を一体どのように感じたのか。
10年以上、鳩山さんの公私の姿をファインダーに収め続けている写真家の蛭田有一さん(67)には、2001年2月に撮影したお気に入りの1枚がある。
鳩山さんから「妻と一緒に買い物に行ったり、散歩に行ったりする」と聞き、東京・田園調布の自宅近くでカメラを構えていると、妻の幸さん(66) と言葉を交わしながら近づいてきた。2人は見つめ合い、手もしっかりつないでいる。蛭田さんは、カメラを意識してポーズを取ったわけではなく、本当に自然 なしぐさと感じた。
撮影の合間に幸さんについて尋ねると、鳩山さんは真顔で「妻は太陽だ」と即答した。今回の衆院選後も、鳩山さんは党務の合間を縫い、幸さんと食事 やショッピングに出掛け、報道陣にツーショットを披露しており、「あの年代で自然に奥さんと手をつなげるなんて、かっこいい」と蛭田さん。
作曲家の三枝成彰さん(67)にも、こんな思い出がある。10年ほど前、オーストリアで開かれた音楽祭。鳩山さんが幸さんと手をつないで街中を歩 き出すと、一緒にいた大物財界人は「ダメだな、あいつは」とまゆをひそめ、鳩山さんの長男、紀一郎さん(33)も「恥ずかしいですよね」と苦笑した。
三枝さんは、そんな鳩山さんにも「現実的な政治家」の一面があると見る。十数年前、友人同士の会合で、今回、民主党の幹事長になった小沢一郎さん (67)が話題になった。この時、鳩山さんは「最も肌の合わない政治家」とつぶやいたが、その後、二人三脚で政権交代を実現させた。「政権を取るには、そ の剛腕が必要と考え直したのだろう」。三枝さんはそう推し量っている。
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