安徳台遺跡群 地中の遺構、遺物調査 那珂川町教委など 解析に基づき発掘へ
那珂川町教委は16日、中国の歴史書・魏志倭人伝に登場する「奴国(なこく)」の有力な拠点集落とみられる安徳台遺跡群(同町安徳)で地中レーダー探査機 による調査を始めた。弥生時代中期としては国内最大級の住居跡などが見つかった同遺跡群に「国史跡級」の価値があるかを検証するための調査。九州大学大学 院工学研究院に委託して3日間、行われる。
安徳台は総面積約22万5千平方メートルの台地。農地や山林に覆われているため、発掘したのは 約2割のみだが、直径15メートルを超える竪穴住居跡、ガラス製品などの豪華な副葬品を伴う大型甕棺墓(かめかんぼ)などが発見された。町教委は「福岡平 野で栄えた奴国を構成した有力な拠点集落があった」とみている。
レーダー調査は昨年6月に続き、2回目。今回は未調査の畑約4800平方メートルが対象。九大大学院の水永秀樹准教授(物理探査学)らが、地中の埋設管や道路の空洞などを調べる地中レーダー探査機を使って地下2−3メートルを探る。
同町教委は本年度中にレーダー解析に基づいた発掘調査を実施。来年3月には西谷正・九大名誉教授(考古学)ら専門家による検証委員会を開き、2010年度中に同遺跡群の価値についての答申をまとめる計画。
=2009/09/17付 西日本新聞朝刊=
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