衆院議員:初登院、議事堂に深く一礼
特別国会が召集された16日、当選を果たした衆院議員が初登院した。143人の新人議員が誕生した与党・民主党と、結党以来、初めて第1党から陥落した自民党。それぞれの議員が、思いを抱きながら、化粧直しを終えたばかりの国会議事堂正面玄関をくぐった。
◇それぞれに思い抱き
国会議事堂正門前には、開門の午前8時前には十数人の議員が列を作り、深々と一礼して中に入った。
一番乗りは民主新人の三宅雪子氏(44)=比例北関東ブロック。午前3時前に来て、開門を待った。「午前3時になれば他の議員も来ているかもと思った。得票した9万票の重みをかみしめて仕事をしたい」と笑顔を見せた。
公示3日前に出馬要請を受け、フリーターから一転、国会議員となった民主新人、磯谷香代子氏(43)=東海ブロック=は、この日のために新調した ばかりのグレーのスーツで姿を見せた。「今の気持ちは天気と同じように晴れやか。非正規雇用で働いてきたので雇用問題に力を注ぎたい」と話した。
神奈川11区で自民新人の小泉進次郎氏(28)に敗れたものの比例代表で復活当選した民主新人の横粂勝仁氏(28)=南関東ブロック=は、「ここ に入ることが目的ではなく、何をやるかが問われている。期待を裏切らないようにがんばりたい」と話した。しかし、玄関内の登院ボードに自分の名前を見つけ ることができず、職員に位置を教えてもらうなど戸惑った様子だった。
一方の小泉氏は、過去に父純一郎氏の秘書を務めていたこともあって、落ち着いた表情。「自民新人は5人だが、民主新人の143人分の活躍をし、小泉改革を継続させながら党を再建したい」と語った。
05年衆院選で郵政民営化に反対し落選した城内実氏(44)は、無所属で静岡7区を勝ち抜き、4年ぶりの登院。「当選2回目ですが、1年生議員のつもりでおごらず実績を積み重ねていきたい」と感慨深げに語った。
◇「出発点忘れない」
石川2区で自民党の森喜朗元首相と激戦を繰り広げ、比例代表で復活当選した民主新人の田中美絵子氏(33)=北陸信越ブロック=は黒のスーツ姿で登院。当選証書をしっかりと握り、「格差是正に取り組みたい」。
愛媛1区で自民党の塩崎恭久元官房長官に小差で敗れたものの復活当選した民主新人の永江孝子氏(49)=四国ブロック=は「出発点を忘れないため に」との理由で、昨秋に出馬表明した時と同じグレーのスーツ姿。地元民放のアナウンサーとして取材した経験から、「地域のことは地域で決める地域主権に取 り組みたい」と話した。民主新人の松岡広隆氏(27)=近畿ブロック=は関西電力社員。今月7日付で休職した。「学生時代から国のために働きたいと思って いたが、こんな若さで国政に出していただけるとは思わなかった」と緊張した様子だった。
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