箸墓古墳:二重周濠跡見つかる…一般化に先駆け 奈良
邪馬台国(やまたいこく)の女王・卑弥呼の墓という説があり、前方後円墳では最古とされる奈良県桜井市の「箸墓(はしはか)古墳」(全長280 メートル、3世紀後半)の前方部南側で、二重の周濠(しゅうごう)跡が見つかった。桜井市教委が15日、発表した。過去の調査でも指摘されていた大規模な 二重周濠の存在が確定的になった。二重周濠が一般化するのは4世紀末で、同市教委は「箸墓被葬者の突出した性格を示す貴重な証拠だ」としている。
保育園の運動場造成工事に伴い、市教委が今春、約300平方メートルを調査した。前方部南で、幅約55メートルに及ぶ外濠と幅約11メートルの外濠の堤の痕跡が見つかった。幅約6メートルの内濠の堤も確認された。
前方後円墳の二重周濠は、4世紀末の大阪府藤井寺市の津堂城山古墳(全長208メートル)から一般的になり、堺市の大山古墳(仁徳天皇陵、全長 486メートル)など5世紀以後の大王墓クラスで定着した。しかし、箸墓築造から間もない時期に奈良県天理市に築造された行燈山古墳(崇神天皇陵、全長 242メートル)や渋谷向山古墳(景行天皇陵、同310メートル)では、幅の狭い一重の濠しか造られていない。【高島博之】
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