首相「脱官僚依存」の決意強調 鳩山内閣が正式発足
認証式を終え記念撮影に臨む鳩山内閣の閣僚=16日午後9時38分、皇居・宮殿、林敏行撮影
民主、社民、国民新の3党による鳩山連立内閣が16日夜、正式に発足した。鳩山由紀夫首相は就任会見で、新政権のキャッチフレーズとして「脱官僚依存」 を掲げ、子ども手当の創設やガソリン税の暫定税率廃止など、総選挙のマニフェスト(政権公約)を実現する考えを強調した。
鳩山内閣は16日夜、初閣議を開き、「本当の国民主権の実現」「内容のともなった地域主権」を政策の二つの大きな柱とするなどとした内閣の基本方 針を決めた。法案などを事前に与党が審査した自民党政権下の慣行を廃止し、政府・与党の意思決定を一元化することや事務次官会議の廃止なども決めた。
鳩山首相は16日夕、首相官邸で記者会見し、「日本の歴史が変わるという身震いするような感激と、一方で大変重い責任を負った」と政権交代の意義を強調。「脱官僚依存の政治を今こそ世の中に問うて、実践していく」と決意を語った。
首相は優先政策として「子ども手当」(月額2万6千円。来年度は半額)の創設と暫定税率の廃止を挙げ、「国民の家計を刺激する政策を真っ先に行う」と語った。
09年度補正予算を徹底的に見直し、執行の一部停止を求める考えを明言する一方、「地域の活性化に役立つという判断なら、続けて執行していただきたい」 と述べ、地方の実情に柔軟に対応する考えも示した。民主党の目玉政策の実現に必要な財源については、徹底した無駄遣いの見直しなどで「初年度分の7兆円余 は十分めどが立つと確信している」と強調。来年度予算の年内編成をめざすとした。
首相はまた、今月下旬の訪米時に予定されるオバマ大統領との会談に関連し、「まず大統領と信頼関係を築くことが第一歩だ」と指摘。「日米間の様々 な懸案に関しては、包括的なレビューを少し時間をかけて行うことが重要」として、連立合意に盛り込まれた日米地位協定改定の「提起」はただちには行わない 考えを示した。
幹事長時代に西松建設の違法献金事件を「国策捜査だ」と批判したことについては「1度使った言葉だが、2度は使わなかった。ある種の反省を含めて、この言葉を遠慮している」と発言を事実上撤回。自らの虚偽献金問題については「もっと説明を尽くす努力をしたい」と語った。
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