2008年11月5日水曜日

asahi shohyo 書評

巨龍・中国がアメリカを喰らう—欧米を欺く「日本式繁栄システム」の再来 [著]エーモン・フィングルトン

[掲載]2008年11月2日

 東京在住の経済ジャーナリストが「世界最大の経済大国」へと向かう中国の脅威を警告した一冊。本書の指摘通り、中国論の多くは、中国が「空中分解する」 という悲観論と「西洋の価値観や規範に向かって収束する」という楽観論に分かれる。著者はどちらの極論にもくみせず、日本が推進した「東アジア型経済シス テム」を模倣する中国は「西洋人の期待にそぐわない形で変化」すると指摘。その結果訪れる「アメリカ経済の弱体化」に警鐘を鳴らす。

    ◇

櫻井祐子訳

0 件のコメント: