2008年11月5日水曜日

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「私には夢がある」から45年 米社会に転換点

2008年11月5日13時33分

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 【ワシントン=勝田敏彦】民主党のオバマ上院議員が、初のアフリカ系(黒人)大統領に決まった。人種差別の撤廃と融和を目指すマーチン・ルーサー・キング牧師が、約20万人の大群衆を前に「私には夢がある」と演説してから45年。米政治は大きな転換点を迎えた。

 米国で黒人に参政権が認められたのは1970年。公民権運動が盛んになった1950年代以降、政治参加が加速した。現在は下院議員定数の9%を黒人が占 め、ニューヨークなど大都市では市長を務めることも珍しくない。ブッシュ政権では、黒人のパウエル、ライス両氏が相次いで国務長官を務めた。

 しかし、大統領はまだだった。80年代以降、公民権運動指導者のジャクソン師、シャープトン師らが民主党予備選に挑戦したが、いずれも白人候補に敗れた。

 ローレンス大のポドエア准教授(歴史学)は「ジャクソン師らは白人からは『怒る黒人』に映り、受け入れられなかったが、オバマ氏は冷静さを失わな かった」と指摘する。「今回の選挙戦で人種がそれほど前面には出なかったことは、40年間で米国人が人種問題から『巣立ち』始めた証拠」と同准教授はい う。

 しかし米国勢調査局によると、01年の黒人家庭の平均年収は白人家庭の62%にとどまり、70年代と大差ない。貧困や失業といった黒人が抱える社会問題は、依然解決されていない。



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