2008年11月5日水曜日

asahi shohyo 書評

漆喰復活—天然建材5000年の底力 [著]船瀬俊介

[掲載]2008年11月2日

 漆喰(しっくい)は、貝やサンゴが堆積(たいせき)してできた石灰石を原料とし、古代から神殿建築やフレスコ画の下地などに用いられてきた。日本でも火 災やカビに強い天然建材として神社や寺、城や蔵などに使われ「幽玄枯淡」の伝統美を醸成してきたが、環境問題評論家の著者は、そんな漆喰が「消えようとし ている」と訴える。背景にはコンクリートや化学建材を多用する「物質文明」があると例証を掲げて批判。地球や命に優しい漆喰や木の効能を説き、「精神文 化」の再構築が必要と唱えている。

表紙画像

漆喰復活—天然建材5000年の底力

著者:船瀬 俊介

出版社:彩流社   価格:¥ 2,310

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