2008年11月12日水曜日

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漁師喜び、研究者は「?」 エチゼンクラゲ姿見せず

2008年11月11日9時47分

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 8月下旬から1月にかけて日本海沖に多数現れ、漁業に大きな被害を与えてきたエチゼンクラゲが、今年はほとんど姿を見せていない。"本場"の福井県沿岸でもこれまで確認されておらず、研究者は「なぜ」と首をかしげ、漁業関係者は「おかげで豊漁」と笑顔だ。

 大きいと直径約2メートル、重さ200キロ近くなるエチゼンクラゲは、02年から大挙して日本海沿岸に現れるようになった。主に中国や朝鮮半島の周辺海 域で発生し、東シナ海や対馬海峡を経てやってくる。大量に漁網にかかり、網が破れることがあるほか、一緒にかかった魚を毒で弱らせるので、漁師に嫌われて いる。

 それが、水産総合研究センター日本海区水産研究所(新潟市)に今年入った報告は、対馬沿岸での少数の確認など数件だけだ。研究員は「大量発生の原 因も地球温暖化の影響ではとの説が有力という段階で、激減の原因は今のところ不明」と言う。同研究所は「エサの動物プランクトンが減るなどしたためでは」 と推測し、調査を始めた。

 一方、福井県内の定置網漁のサバやブリ、マダイなどの水揚げは昨年の1.5〜4倍に増えている。クラゲが網を破った部分から逃げられていたアジや イワシなど小魚も好調で、昨年の2倍の水揚げがあるという。同県漁連三国支所の立田晴夫支所長(58)は「クラゲがいなくなって、頭を悩ますのは原油高だ けになった」と話す。(岡野翔)



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