2008年11月6日木曜日

asahi international USA president election Michelle Obama

ミシェル次期大統領夫人 辛口発言にも好感、勝利に貢献

2008年11月6日6時10分

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写真米シカゴで4日、(左から)オバマ氏と長女のマリアさん、次女のサーシャさんとともに支持者の歓声に応えるミシェル夫人=AP

写真米大統領選で当選を決め、支持者に笑顔で手を振るオバマ氏とミシェル夫人=4日、シカゴ、岩崎央撮影

 【ワシントン=小村田義之】民主党バラク・オバマ上院議員の夫人ミシェルさん(44)は、来年1月からアフリカ系(黒人)初のファーストレディーにな る。黒人労働者層の出身で、率直な物言いは時にトラブルを招くこともあったが、最終的には黒人を中心に大きな信頼を獲得し、オバマ氏の勝利に貢献した。

 ミシェルさんはシカゴの貧民街サウスサイド育ち。名門プリンストン大からハーバード大法科大学院に進み、弁護士に。89年、シカゴの弁護士事務所で働いている時にインターンだったオバマ氏と知り合い、92年に結婚。その後、シカゴ大病院副院長となった。

 ハワイ出身で、白人の母を持つオバマ氏は民主党の候補者指名争いのころ、南部の黒人や黒人政治家との間に距離感もあった。だが、奴隷の子孫で労働者層の出身であるミシェルさんが南部サウスカロライナ州などに足を運んで黒人からの信頼を広げてきた。

 一方で、今年2月に中西部ウィスコンシン州での遊説で「大人になってからの人生で初めて、私の国を本当に誇りに思う」と発言したのが、愛国心に欠けると批判を浴びたこともあった。

 6月には、白人を蔑称(べっしょう)で語るミシェルさんを写したビデオテープが存在するとの噂(うわさ)が流れ、オバマ夫妻が反発。「家のことも できない人はホワイトハウスの運営はできない」と述べた発言が、ライバルのヒラリー・クリントン上院議員へのあてつけと受け止められたこともあった。

 夫のオバマ氏について「靴下を脱ぎ散らかす」「バターを冷蔵庫に戻さない」と紹介し、批判を招いたことも。地元紙のシカゴ・トリビューンによると、ミシェルさんのオバマ氏評は「彼は才能のある人だけど、結局はただの男」というものだった。

 その辛口の発言で「怒れる黒人女性」と呼ばれたこともあったが、オバマ氏を特別扱いせず、普通の生活スタイルを崩そうとしないミシェルさんの存在は、時 にエリートくささを漂わせるオバマ氏にはプラスに働いているようだ。8月にはハワイで家族で夏休みをとったり、最近も2人の娘とハロウィーンを楽しむため シカゴの自宅に戻ったり。夫人の意向を反映したと見られるが、支持者からは好感を持って受け止められている。

 昨年末、アイオワ州の屋内競技場で開かれた民主党の集会では、ミシェルさんがスタンドの支持者に一人ひとり、あいさつして歩く姿が見られた。選挙 戦が終盤に向かうと発言は控えめとなり、人気は逆に高まって、ファーストレディーらしい柔らかな雰囲気も漂わせるようになった。


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