小泉氏もがぶ飲み…山梨ワイン、ボージョレ解禁日に対抗
「山梨のワインはおいしい」とエールを送る小泉元首相=東京都港区赤坂5丁目
仏産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」が解禁日を迎えた20日、山梨県内のワイナリー関係者は県内外で対決色を前面にした催しを開いた。赤のボー ジョレの対日攻勢に、辛酸をなめてきた白の県産ヌーボー。食の国内回帰も追い風に、ワイン愛好家ら消費者に「紅白対決」を印象づける作戦だ。
「山梨のワインはこんなにおいしいのかと思ったね」
甲州市勝沼町のワイナリー10社でつくる「勝沼ワイナリーズクラブ」が東京・赤坂で20日夜に開いた「日本ヌーヴォーを楽しむ会」。壇上の小泉元 首相が県出身作家の林真理子氏らと用意された県産ヌーボーを時折がぶ飲みしながら持ち上げると、元首相の来場を知らされていなかった120人を超えるワイ ン愛好家らは沸き返った。
ボージョレ解禁日に合わせて都内で開く「楽しむ会」は今年で3回目。元首相の登壇は最大の「サプライズ」だ。
同クラブは山梨応援団を自任する林氏らを通じ、今年4月に林氏と勝沼をお忍びで訪れた、政界きってのワイン好きの元首相に、「ラブコール」を送っ た。和服姿で来場者を迎えた県ワイン酒造協同組合の三沢茂計理事長は来場者に「フランスの解禁日にかかわらず、日本のヌーボーの会場にこんなに大勢来てく れました。フランスは赤、日本は白。紅白対決です」と述べた。
県内のワイナリー各社は今年、勢いづいている。国産ワインとして初めて県産ワインが、指定認証機関から欧州連合の輸出基準をクリア。海外輸出を目 指す動きが本格化している。食の安全が脅かされるなか、国産ワインを見直す声もあり、県内各社は「山梨ヌーボー」の解禁日を今月3日に設定。11月の第3 木曜日が解禁のボージョレ相手に、対抗心をむき出しにした。
今年のボージョレの輸入量は55万ケースで、最盛期の04年に比べほぼ半減した。クラブの担当者は「国内の消費者はいま、何か新しいものを求めているはずだ。その期待に応えていきたい」と話す。
0 件のコメント:
コメントを投稿