2008年11月12日水曜日

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保険料の免除、300万人未申請 無年金になる恐れ

2008年11月11日3時1分

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 国民年金の加入者で、所得が低く、保険料支払いを全額免除される対象にもかかわらず、免除に必要な申請をしていない人が約300万人いることが、厚生労 働省の推計で分かった。このままだと、保険料未納により、将来無年金になる人が相当数いると見られ、厚労省は本人の申請がなくても職権で免除できるように 検討している。

 保険料は現在月1万4410円で、所得が低い場合は減額される。現在全額免除になるのは、単身世帯で年間所得57万円以下、夫婦2人・子ども2人 の4人世帯で162万円以下。全加入者2035万人のうち対象者は約4分の1の521万人いるが、実際に免除手続きをしているのは202万人にとどまって いる。

 厚労省によると、年間所得が200万円未満の世帯の4分の1以上が保険料を滞納している。多くが保険料免除の対象と見られるが、いずれも免除手続きをしていない。

 現行制度では、保険料の支払いを全額免除されるためには、原則本人が申請する必要がある。国民年金の財源は現在、国が約3分の1を負担。免除手続きをすれば、保険料を支払わなくても、国民年金の満額月6万6千円のうち、税負担に相当する2万2千円の年金を受け取れる。

 社会保険庁は加入者の所得情報を持っていることから、免除対象で、手続きをしていない場合は職権で免除適用すれば、無年金を防げる。

 また、保険料の免除制度は、全額免除のほか、4分の3、半額、4分の1を免除する仕組みがある。これらの対象者のうち、実際に免除申請をしているのは、対象者の10分の1程度。一部免除の場合、未納となる可能性は残るが、払いやすさは高まる。

 保険料の未納で無年金になった場合、生活保護に頼ろうとしても、生活必需品以外の全資産を処分しなければならず、本人にとってデメリットは大きい。無年金の人が生活保護の受給者となると、保護費に必要な税金も膨らむ。

 免除制度を今よりも積極的に活用すれば、こうした「未納による無年金」を防ぐ手だてにはなるが、受給できる年金は満額に満たない。低年金を防ぐ対策は、別途考える必要がある。



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