2008年11月5日水曜日

asahi science geography geographic Indian Sea

インド洋の大津波、13〜15世紀にも 地層から痕跡

2008年11月5日15時2分

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写真タイ・プラトン島でみつかった過去の津波による堆積層(下の灰色の層)。上の灰色の層は04年の大津波によるもの=産総研提供

 04年のスマトラ沖地震による大津波で28万人以上の死者がでたインド洋周辺で、13〜15世紀にも大津波が発生していたことが、産業技術総合研究所な どのチームと、米国チームの調査でわかった。地面を掘り、文献など歴史記録にない被災の痕跡とみられる地層をみつけた。ともに英科学誌ネイチャーに発表し た。

 産総研などのチームは、タイ・プーケット島の北約125キロにあるプラトン島で掘削調査をした。04年に高さ約20メートルの大津波に襲われた島だ。

 その結果、地下40〜65センチに、約10キロにわたり、むかしの津波で堆積(たいせき)した二つの層を確認した。地層中の放射性炭素で年代を測り、新しい層は1300〜1450年以降、古い層は紀元前400〜200年以降のものとわかった。

 一方、米チームはプラトン島から約600キロ南のスマトラ島北部で、同様に古い二つの津波による堆積層を確認。新しい層は1290〜1400年以 降と、産総研がみつけたのとほぼ同じ時代で、このときも04年のような大地震が起き、広い範囲を大津波が襲った可能性が高いことがわかった。

 産総研活断層研究センターの沢井祐紀研究員は「歴史記録がなくても、こうした地質調査で過去の大地震や大津波の痕跡をみつければ、地域の防災対策に役立つ」と話す。(鈴木彩子)



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