2008年11月28日金曜日

asahi archeology history Japan Nara Asuka kitora

キトラ古墳の天文図はぎ取り 着手から4年余、作業終了

2008年11月27日21時30分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリをYahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真はぎ取り作業前のキトラ古墳の天文図。朱色の四つの円や、星を示す金箔で描かれている=奈良文化財研究所提供

図

 極彩色壁画が描かれていた奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末〜8世紀初め)で、石室天井の天文図(直径60センチ)のはぎ取り作業が終了 したと、文化庁が27日発表した。石室の東西南北にあった四神(ししん)の「青竜」「白虎」「朱雀」「玄武」や、「子(ね)」「丑(うし)」「寅(と ら)」など十二支像などの壁画ははぎ取り済みで、04年8月に始まった国内初の壁画のはぎ取り作業は4年余りで終了した。

 同庁によると、天文図は天井が湾曲しているため作業が難しく、最後まで残されていたが、07年7月からはぎ取りを開始。下地の漆喰(しっくい)が 劣化して粉状になった部分も多く、一体的に取り外すのは困難だったため、大半をヘラによる手作業で113の小片に分けて順次取り外された。27日の作業で は、天文図の西側に最後まで残っていた星座「天倉」など3カ所をはぎ取った。

 キトラ古墳の天文図は、現存する本格的なものとしては世界最古とされる。四つの円と星座の線を朱色で、星を金箔(きんぱく)で描き、天体を表して いる。古代中国で確立したとされる。同古墳の天文図には約350個の星があり、68の星座が表現されていると推定されていたが、今回のはぎ取りの結果、実 際に残っている星は277個(痕跡だけの98個を含む)だった。

 はぎ取った天文図は来年1月から修理作業に入り、小片を組み立てるには1年程度かかる予定。順調に進めば2011年には公開出来る状態になるという。(渡義人)




0 件のコメント: