「ツール・ド・ティモール」 平和の大地を突っ走る
数千人の市民の声援を受けながら疾走する選手たち=ディリ、矢野写す
数千人の市民の声援を受けながら疾走する選手たち=ディリ、矢野写す
【ディリ=矢野英基】インドネシアによる東ティモールの併合支配を終わらせた住民投票から10周年を記念する国際自転車レース「ツール・ド・ティモー ル」が28日まで同国で開かれた。度重なる騒乱からの復興のためにも、国際自転車レースを観光客誘致の目玉にしたい考えだ。
レースは24日から5日間、全土で開催。豪州など10カ国から参加した約300人の選手が、約450キロをマウンテンバイクで走破した。山岳や海 岸線など多様な地形を生かしたコースは難所続きで、転倒して棄権したり体調を悪くしたりする選手も続出。地元のアベヨカ選手(25)はゴール後、「厳し かったが、平和な社会で走れるうれしさは言葉で言い表せない」と涙を浮かべた。
ペレイラ大統領報道官は「今後も毎年開催し、将来は『ツール・ド・フランス』のような国際レースにして東ティモールの良さを伝えたい」と意気込む。
同国は99年8月30日、国連管理下での住民投票で、独立を求める勢力がそれに反対する勢力に圧勝したが、反独立の民兵らによる暴動で千人以上が 死亡。その後も政情不安が続いたが、去年、反政府勢力を一掃したことで治安が改善して経済が好転し、10%の経済成長を達成した。
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