キーンさん「苦労に十分な価値」 文化勲章親授式
今年度の文化勲章親授式が3日、皇居・宮殿であり、受章した8人中、欠席者を除く6人が天皇陛下から文化勲章を受けた。
出席したのは指揮者の小澤征爾さん(73)、作家の田辺聖子さん(80)、日本文学のドナルド・キーンさん(86)、元日本オリンピック委員会会長の古 橋広之進さん(80)、今年のノーベル物理学賞に決まった小林誠さん(64)と益川敏英さん(68)の6人。数学の伊藤清さん(93)、ノーベル化学賞の 下村脩さん(80)は欠席した。
式典後の記者会見で、田辺さんは「終戦後は国文学の受難時代だったが、小説や短文でずっと国文のよさを訴えてきた。大きなご褒美をいただきまし た」。キーンさんは終戦後に大学で日本研究を専攻するまでの経緯を振り返って「それ以来、いつも日本語、日本文学のことを考えてきた。苦労に十分価値があ りました」と笑顔を見せた。
また、益川さんは「おまえは文化人だと言われるとこそばゆい感じがする」と話し、自らを「野蛮人」と称して笑いを誘った。受章については「このよ うな賞をいただいて、今日からどういう具合に生活していいか分かりかねるので、女房などの教育的指導を受けます」。隣に座った小澤さんから「きょうから野 蛮人やめればいいじゃないですか」と突っ込まれると、「しみついているから簡単には抜けない」とやりかえし、再び笑いを呼んだ。(島康彦)
0 件のコメント:
コメントを投稿