2008年8月5日火曜日

asahi shohyo 書評

日本で最も美しい村 [著]佐伯剛正

[掲載]2008年8月5日

 農業の低迷や高齢化の進展によって消滅の危機にある「限界集落」が増えている。だが、この本を手にして「日本にはまだ美しい村がある」と安心した。

 「最も美しい村」の運動は82年、市町村合併が進められていたフランスで小さくても誇りを持って自立を目指す村が集まって始め た。住民2千人以下などの認定基準があり、欧州各国に広がった。日本では05年に7町村でスタート。人口1万人以下で、景観・環境などの地域資源とそれを いかす活動があることなどが条件だ。「日本で最も美しい村」連合に現在11町村が参加する。

 事務局がある北海道美瑛町は「丘のまち」として、自然や風景、小麦などを生かした村づくりを進める。徳島県上勝町はブナの森と棚田をアピール、環境対策にも熱心だ。

 著書の佐伯さんは、NPO法人「森の学校」の代表理事で写真家でもある。美しい風景を見ていると、すぐにでも現地に出かけたくなる。

表紙画像

日本で最も美しい村

著者:佐伯 剛正

出版社:岩波書店   価格:¥ 2,310

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