122度の高温で増殖する微生物 インド洋深海で採取
122度で増殖することが確かめられた超好熱古細菌=海洋研究開発機構提供
インド洋の深海底で採った微生物が122度の高温で増殖することを、海洋研究開発機構のチームが確かめた。生物の増殖が確認できた温度としては史上最 高。生命の進化の歴史や、地球外生命の存在の可能性を探る研究に役立ちそうだ。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。
海洋機構の高井研プログラムディレクターによると、この微生物は水素と二酸化炭素をえさにメタンをつくる「超好熱古細菌」の仲間。水深2450メートルの熱水が噴出する海底付近で採取された。
高井さんらが開発した高圧培養技術で、水圧を生息海域に近い200〜400気圧に高めたら、122度に熱しても増殖した。
微生物の増殖温度はこれまで、再現可能な実験では、独チームが97年に発表した113度が最高だった。今回の古細菌がいたところの海水の温度は360度だったが、科学的には実験で増殖できた温度が記録になる。
地球上の生命は、この古細菌がすんでいたような高温の海域で誕生した、というのが有力な説のひとつだ。
(安田朋起)
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