仮面よ、紀元前の暮らし語れ イスラエルで出土
発掘された男性の仮面。手前の目盛りは1センチ刻み=井上写す
イスラエル北部エンドル近郊の都市遺跡「テル・レヘシュ」で紀元前12〜同10世紀ごろのものとみられる仮面や香炉台が出土した。立教大などでつくる日本の発掘調査団(団長=月本昭男・立教大学教授)が27日、現地で発表した。
高さ約45メートルの丘にあり、紀元前1千年前後の古代イスラエル王国成立前の先住民だったカナン人が紀元前3千年ごろから定住を始めた。最盛期には数千人が住んだとみられる。旧約聖書に記述がある「アナハラト」と推定されている。
仮面は土製で鼻から下の部分が出土。ひげを生やした男性で幅は約8センチ。香炉台は2台見つかり、高さ約60センチの円柱形で線模様が入っている。いずれも宗教儀式に使われたとみられる建物跡から出土。仮面は「魔よけの可能性もある」(同調査団)という。
月本団長は「多神教から一神教へと推移していく過程や、都市形成を知る上で貴重な発見」と話している。(エンドル〈イスラエル北部〉=井上道夫)
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