肉食恐竜の歯つきあご化石 国内初、福井で発見
福井県勝山市にある県立恐竜博物館は、同市の約1億2千万年前(白亜紀前期)の地層で発掘した岩石から、小型の肉食恐竜(獣脚類)の上あごの骨=上顎 (じょうがく)骨=が見つかったと発表した。4本の歯も一緒で、肉食恐竜の上顎骨がほぼ完全な形で出てきたのは国内初。博物館はこれまでに確認された足や 腰などの骨化石と合わせ、二足歩行で羽毛の生えたドロマエオサウルス類の可能性が高いとしている。
上顎骨は長さ9.7センチ、高さ3.9センチの右あご部分。歯は最大で長さ1.5センチ、幅0.6センチ、最小で長さ0.8センチ、幅0.4セン チだった。昨年8月に発掘した岩石(約50センチ四方)から、すでに確認されていた趾骨(しこつ)や仙椎(せんつい)などの骨化石約30点を削り出す作業 中に発見した。
博物館によると、上顎骨の形状や所々にあるへこみの特徴、歯にのこぎりのようなぎざぎざがないことなどから、ドロマエオサウルス類のうちでも、中 国・遼寧省で発見されたシノルニトサウルス(体長約1メートル)に近いとみられる。ただ、今回の恐竜は体長約2メートルと推定されることから、新しい属 性・種類の可能性もあるという。
東洋一副館長は「首や手足の骨などがさらに見つかれば、羽毛恐竜の全身が復元できるだろう」と期待を寄せている。(西山明宏)
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