2008年8月29日金曜日

asahi science mummal

哺乳類の「第六感」 独とチェコのチームが報告

2008年8月29日2時4分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 哺乳(ほにゅう)類の「第六感」は地磁気を感じる力——。ウシやシカのこんな隠れた能力が、ドイツとチェコのチームの調査で明らかになった。草をはんだり休んだりしているとき、体は方位磁石の針のように、おおむね地磁気の南北を向いていた。

 ネット上で無料公開されている衛星写真「グーグル・アース」で、欧州、アフリカ、アジア、南・北アメリカ、オーストラリアの計308の牧場を調べた。草をはんだり休んだりしている計8510頭の牛を選び出し、体の向きを調べたら、多くの牛が地磁気の南北を向いていた。

 チェコ国内で野生のシカ計2974頭の生態や雪に残った「寝床」の跡を調べた結果も、同様だった。シカの場合、大半が頭を地磁気の北極(磁北極)に向けていた。

 ウシやシカが体を同じ方角に向けることは以前から知られていたが、風や太陽の向きの影響だと考えられていた。地磁気を感じる力は、渡り鳥やサケなどが身につけて移動に使っているが、哺乳類ではネズミの仲間やコウモリなどで報告があるだけだった。

 チームは「何千年もの間、牧童や狩人が気づかなかったことに驚いている。人間も、座る向きが南北と東西とでは、脳波が明らかに異なる。こうした研究の端緒になるだろう」としている。(香取啓介)



0 件のコメント: