2009年2月11日水曜日

asahi science astronomy Subaru Big-ban

星を生んだ光、届く 117億光年、すばる望遠鏡検出

2009年2月10日18時42分

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 宇宙誕生の大爆発(ビッグバン)から約20億年後に放出された紫外線を、国立天文台や東北大、大阪産業大などのチームが、ハワイのすばる望遠鏡でとらえ た。地球から約117億光年も離れた銀河の大集団からはるばる地球に届いたこの紫外線は、宇宙を現在の姿に導く役割をはたしたとされ、宇宙の進化の道筋を 探る手かがりになりそうだ。

 米専門誌アストロフィジカルジャーナル2月号に近く論文を発表する。

 宇宙は約137億年前に誕生し、5億年後には最初の天体ができた。しかし、初期の10億年間は天体がほとんどない「暗黒時代」で、この暗黒時代を終わらせるのに重要な役割を担ったのが、宇宙初期に放出された強い紫外線(イオン化光)だったとされる。

 チームは効率的にイオン化光を測定できるフィルターをつくり、みずがめ座の方向の地球から約117億光年離れた銀河大集団「SSA22」を07年9月、すばる望遠鏡で観測。198銀河のうち17銀河からイオン化光を検出した。

 いくつかの銀河では、予想を上回る強さだった。イオン化光は、それぞれの銀河内にある重い恒星から出ている可能性があるという。

 宇宙は誕生直後は高温で、陽子と中性子と電子だけが存在していたが、膨張とともに温度が下がり、陽子と電子が結合して水素原子ができた。こうした 水素原子のほとんどはイオン化光によって再び陽子と電子に分離され、銀河、星、惑星など様々な天体が存在する現在の宇宙に進化する素地ができたと考えられ ている。(桜井林太郎)



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